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住友金属、大深度油井用の高強度高耐食油井管「スーパー17Cr鋼管」を開発

大深度油井用の高強度高耐食油井管「スーパー17Cr鋼管」開発について
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=298616&lindID=4
 住友金属工業株式会社は、マルテンサイト系ステンレス油井管(*1)で世界最高レベルの耐食性と高強度を両立する油井管「SM17CRS-125」(以下 スーパー17Cr鋼)を開発しました。今後増加する大深度の油井開発に使用し、世界のエネルギー安定供給に貢献します。

【天然ガスGGJ】







1.開発の背景

 地中から石油・天然ガスを生産するための油井管は、信頼性の観点から、主にシームレスパイプ(継目無鋼管)が使われます。マルテンサイト系ステンレス鋼の13Cr油井管(*2)は、炭酸ガス腐食(*3)に耐え、かつ高強度なので、炭酸ガスを多く含む油井・ガス井に使用されてきました。

 近年、地下6,000mを超える大深度の油井・ガス井の開発が増加しています。大深度の井戸では、地層圧に耐えパイプの自重を支える強度と、200℃前後まで上昇する高温環境での耐食性を両立した油井管が必要です。このような環境では、13Cr油井管は、腐食が速く、応力腐食割れ(*4)が発生するため使用できず、より高級な2相ステンレス油井管(*5)を使用します。

 2相ステンレス油井管は、耐食性を向上させる合金元素Crの含有量が22~25%で、炭酸ガス腐食しにくく、200℃以上の高温でも使用できる優れた材料です。しかし、NiやMoなどの高価な合金元素を多量に含む上、強度確保には冷間加工が必要(*6)です。

 住友金属工業は、今後増加する大深度の油井に対応して、13Cr鋼よりも高温耐食性に優れ、2相ステンレス鋼よりも合金含有量を低減させ、冷間加工が不要な「スーパー17Cr鋼」を開発しました。


2.スーパー17Cr鋼の特長

(1)大深度炭酸ガス油井に必要な耐食性
 炭酸ガスを多く含んだ高温環境での応力腐食割れを防ぐには、耐食性を向上させる合金元素Crの含有量を増やす必要があります。当社は、大深度炭酸ガス油井に対応した耐食性を確保するには、Cr含有量17%が最適であることを見出しました。

(2)大深度油井に必要な強度
 17%のCr含有の場合、金属組織を硬質なマルテンサイトだけで構成できず、軟質なフェライトを含む2相組織となります(図1)。当社では、合金成分を調整して、軟質なフェライトが存在しても、13Cr鋼の一般的な降伏強度80ksi~110ksi(*7)(551~758MPa)を超える125ksi(861MPa)以上の強度確保に成功しました。


 図1.スーパー17Cr鋼の光学顕微鏡組織
  ※ 関連資料参照

(3)製品性能
 スーパー17Cr鋼の耐食性試験結果を図2に示します。スーパー13Cr鋼では高い腐食速度のみならず、多数の応力腐食割れが発生するのに対し、スーパー17Cr鋼では低腐食速度で、応力腐食割れは一切見られず、十分な耐食性があります。

 図2.13Cr鋼(スーパー13Cr鋼)、スーパー17Cr鋼の想定環境下(200℃)での応力腐食割れ試験結果
  ※ 関連資料参照

 スーパー17Cr鋼は、本年9月に油井管の耐食性材料についてのISO委員会とSociety of Petroleum Engineers(石油技術者協会)で発表し、メジャーオイル各社の注目を集めました。既にお客様にサンプル提供を始めています。


3.今後の展開

 開発容易な油田・ガス田は徐々に枯渇しており、今後大深度の開発が増加すると予測されています。ブラジル沖やメキシコ湾の深海油井、東南アジア、インド洋の大深度油井、豪州などの腐食環境の厳しい油田の開発に本油井管の適用が検討されています。

 住友金属工業は、世界的にエネルギー需要が高まる中、製品ラインアップを拡充し、きめ細かくお客様のニーズにお応えすることで、複雑化する油井開発に貢献してまいります。


以上


<用語解説>

(*1)マルテンサイト系ステンレス油井管:
 主に、高強度のマルテンサイト組織の鋼でできたステンレス油井管で、例えば13Cr、スーパー13Crが広く使用されています。マルテンサイトとは、鋼の高温での一般的な結晶構造であるオーステナイト相を急冷したときに、結晶構造が変化し、生成する金属組織のひとつで、高強度で靱性に優れる性質があります。合金含有量が高くなると、冷却しても結晶構造が変化せずオーステナイト相のままの場合があります(2相ステンレス鋼のオーステナイト)。フェライトは、マルテンサイトと同じ結晶構造ですが、マルテンサイトに比べて結晶格子の乱れが小さく、低強度です。

(*2)13Cr油井管:
 13%Crを基本組成とし、耐食性が高い油井管です。鉄に添加するCr量が13%程度を超えると、鉄表面の保護皮膜が強固になり、耐食性が大きく向上します。

(*3)炭酸ガス腐食:
 炭酸ガスを含んだ石油や天然ガスによる腐食現象です。Cr含有量を増やすと炭酸ガス腐食が抑制されます。

(*4)応力腐食割れ:
 鋼が腐食環境で引っ張り応力を受けた時に発生、進展する亀裂です。高温になるほど割れやすくなります。油井管は、応力腐食割れの発生温度がその使用限界温度になるケースが多いです。

(*5)2相ステンレス油井管:
 金属組織がフェライト組織とオーステナイト組織の2相からなる油井管のことで、Cr・Mo・Ni添加で高い耐食性があります。

(*6)強度確保には冷間加工が必要:
 2相ステンレス鋼を構成するフェライト組織とオーステナイト組織は、どちらも軟質な金属組織で、熱処理で鋼を硬化できません。そのため、常温で材料を加工して、加工硬化(金属に加工を加えると強度が増加する現象)によって強度を増加させます。

(*7)ksi:
 Kilo pound per square inch(キロ ポンド パー スクエア インチ)。鋼の強度を示す単位。例えば80ksiは、断面積1平方インチあたり80,000ポンド(約39,000キログラム)の引っ張りに耐えるという意味です。1ksi=約6.89MPaとなります。



● 関連リンク
住友金属工業(株) ホームページ

● 関連資料
参考資料:図1.スーパー17Cr鋼の光学顕微鏡組織
参考資料:応力腐食割れ試験結果

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