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エネルギー政策と特別会計のあり方[後編]【政治GGJK】

余剰金の一般会計化に言及
改めて問われる国家の政策手腕
>>前編はこちらをご覧ください
2010年12月9日(木)公開
問題として指摘される巨額の余剰金

 エネルギー対策特別会計について、内閣府・行政刷新会議が「事業仕分け」を行ったのは10月下旬のことだ。それに先立ち同月上旬には、民主党の特別会計プロジェクトチームが、エネルギー対策特別会計を含む9つの特別会計について、廃止して一般会計化することを前提に見直すべきだと提言した。






 前回説明した通り、エネルギー対策特別会計は「エネルギー需給勘定」と「電源開発促進勘定」とに分かれるが、今回、特に一般会計化すべきであると指摘されたのはエネルギー需給勘定であり、そのなかでも「エネルギー需給構造高度化対策」に充てられる部分である。

 なぜならば、エネルギー需給勘定に占める、エネルギー需給構造高度化対策の比率は年々高まっており、ここには多額の余剰資金が発生しているからだ。それぞれの余剰金額を見ても、電源開発促進勘定の累積1200億円に比べ、エネルギー需給勘定の7400億円という額はあまりに多い。余剰金が増えているということは、行うべき施策が少なかった状態が続いていることを意味する。さらに、新エネルギーや省エネルギー設備の導入支援などに向けた予算の配分は、一般会計からも行われているため非効率との指摘もある。これが、エネルギー対策特別会計を一般会計化すべきという主張の根拠の1つになっている。

 もっとも、一般会計化するには問題もある。単純な一般会計化は「受益と負担の原則」からの逸脱を意味するからだ。

 エネルギー対策特別会計の原資は、石油石炭税や電源開発促進税などであり、これらはエネルギー対策の財源とすることを前提とした税である。しかしこれを一般会計化し、例えば「子ども手当」や農家の所得保障など、本来の目的から外れた使い方をすることに、国民や企業からの理解を得られるとは考えがたい。さらに、余剰金が恒常的に発生しているのであれば、原資となっている税を減額するのが筋である。しかし、政府が「貧すれば窮する」状態であることは周知の通りで、減税は現実的ではない。

 だとすれば、エネルギー対策特別会計に残された道は、その存在や仕組みを分かりやすくすることである。「エネルギーについて集めた税金は、エネルギー政策のために有効に使っています」というアピールが必要なのだが、残念ながら現在は、国民や企業といった納税者に対して、高い透明性を維持しながら、説明責任を十分に果たしているとはいえない状況だ。

 そうした状況を招いているのは、もともと特別会計という制度が分かりにくいことにある。さらには、このエネルギー対策特別会計が、経済産業省、環境省、文部科学省という3つの官庁の所管であることが仕組みを複雑にしている。18ある特別会計のなかで複数の官庁に所管がまたがるのは、このエネルギー対策特別会計だけなのである。そして現在、この3官庁間の財源比率はほぼ固定化しており、これが既得権益を生み出す原因とも考えられている。


環境省の事業が俎上に

 エネルギー対策特別会計からは、非効率な支出が排除されなければならない。今回の事業仕分けでは、非効率な支出と目された事業が名指しされた。

 例えば、「太陽熱給湯システムリース事業」「温泉発電促進」「工事車両のハイブリッド化助成事業」などである。これらはすべて環境省所管の事業で、経産省所管の「太陽光発電補助事業」「地熱発電促進」「自家用車のハイブリッド化助成事業」などの枠の外にあるものである。いずれも、経産省が「不要不急」と判断したものとも言え、相対的には必要性の低い事業だ。

 今回、エネルギー需給勘定のなかで仕分けられた事業のうちで1つを除いたすべてが、環境省所管のものであった。もともと環境省は、規制する側の省庁で、企業を上手に巻き込んで事業を推進することには慣れておらず、その体制も十分に整っているとはいえないのが実状である。そのため、今回の仕分け結果は、エネルギー対策特別会計の本来の目的から考えて、妥当な結果といえるだろう。

 一方、電源開発促進勘定では、原子力分野の研究・開発・利用の推進事業で非効率な支出が指摘された。この原子力関連事業は、経産省と文科省の両方にまたがる事業である。例えば、高速増殖炉に関しては「実験炉」(理論の基礎研究などを行うための原子炉)と、その次の段階である「もんじゅ」(福井県敦賀市)のような「原型炉」(経済性の試算などを行うための原子炉)は文科省の所管であり、さらに規模を大きくした実証炉(大型プラント化に向けた検証などを行う原子炉)は経産省の所管となる。

 「もんじゅ」が設計されてから既に約30年も経つなかで、次のステップである実証炉へ移るための概念設計を始めるべきだとの主張がある一方で、運転をやめていた時期が長かったため十分な結果が出ておらず、まず足元を固めるべきだとの声がある。こうした状況のなかで、より効率的で実効性の高い研究開発を行っていくためには、高速増殖炉の利用者となる電力業界のニーズを踏まえて、経産省と文科省が連携をどう強めていくかが重要な課題となっている。

 また、温暖化対策とエネルギー対策は「コインの裏表」であるから、省エネルギーを進める一方で、再生可能エネルギーの普及を考えなくてはならない。現在は、このための予算が特別会計と一般会計の両方から用意されており、また、「エコポイント制度」「エコカー購入補助」などといった個別の政策が混在している。現在は過渡期であるため仕方ない面はあるものの、一時的な補助金などは整理した上で制度化を進めるなど、分かりやすい仕組みを考えていかなければならない。


一般会計化への言及

 事業仕分けの結論は、以下のようになった。(行政刷新会議のホームページより転載)

枠組みのあり方(主体・区分経理)

* ガバナンス強化を前提として、区分経理などの枠組みは継続
* エネルギー需給構造高度化対策については、エネルギー由来CO2削減という政策目的に即した事業に対し、経済産業省と環境省以外の府省も使えるようにする(負担者の納得が得られる内容で、かつ、野放図にならぬようガバナンスを効かせることが前提)
* 特にもんじゅ関連事業については、事業仕分け的手法にて常に外部からのチェックを行い、ガバナンスを強化すべき

資金のあり方(積立金の取扱い)

* ガバナンスの確保を条件に、基本的に現状維持

資金のあり方(剰余金の取扱い)

* 発生抑制に努力し、発生してしまったものについては一般会計に繰り入れ

財産・負債のあり方(金融資産・流動資産)

* 規模の縮小に向け最善の努力をする

 最も注目すべきは、余剰金の一般会計化が言及されたことである。もちろん、一般会計化すべきとの結論が出たからといって、すぐにそのようにできるものではない。特別会計はすべて法律に基づいて存在するもので、一般会計化するのであれば、法律の改正が必要だからだ。「ねじれ国会」が続く状況で、どれだけ速やかに一般会計化が進められるかは今後の課題となる。

 今回の結論に関して、筆者に異議はない。しかし、これはあくまで“特別会計という枠組みから見たエネルギー政策”であって、エネルギーと地球温暖化の問題を一体的にとらえる明確な国家戦略がなければ、日本のエネルギー政策全体の最適化や効率化は相当難しいものと考える。

 現在のところ、2011年度中には税制改正が行われ、現行の石油石炭税を約50%増税し、平年度ベースで2400億円規模の「地球温暖化対策税」が導入される見込みだ。しかし、この対策税の扱いに関しても、3つの官庁で意見が割れている。経産省では、新税の導入よりも、現行の石油石炭税の課税を強化して特別会計に取り込むことを主張している。環境省は、石油石炭税の増税分を環境税とし、温暖化対策の財源に充てたいとしている。それに対して、財務省はこれらとはまったく逆に、石油石炭税の増税分を一般会計化しようとしている。省庁の主張が割れるのは珍しくないが、まず、こうした場合に必要なのは、政府が国家としてエネルギー戦略や温暖化対策への取り組みを、包括的かつ具体的に示すことだ。

 現在、国会に上程されている地球温暖化対策基本法案と、2002年に成立したエネルギー対策基本法という2つの基本法について、政策や予算にどのような優先順位を付け、整合性をどう確保していくのか、個別の議論はもとより、国家としての方向付けを明確にしなければ、国民や企業の進むべき道筋があいまいなままで、末端の部分的な問題が解決されるに過ぎない。

 国民の注目を集めて行われた事業仕分けが、真の成果を上げるまでには、まだ時間がかかりそうだ。


十市 勉 氏十市勉 氏 (といち つとむ)財団法人日本エネルギー経済研究所 専務理事・首席研究員


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