天然ガス

GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)で脱原発

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世界の資源地図を塗り替える「シェールガス革命」[後編]【シェールガス革命GJJ】

石油メジャーもガスを主力に
低炭素社会への架け橋となるか
2010年8月5日(木)公開
在来型ガス産出国の危機感

 刻々と進む「シェールガス革命」は、世界のエネルギー地図を塗り替え、ガス輸出国や石油メジャーのビジネススタイルや事業戦略を変えようとしている。

 シェールガスの生産量急増で危機感を強めているのは、ロシアを筆頭とした、在来型天然ガスの輸出国である。ロシアのほかには、アルジェリアやカタール、イランなどがそれに該当する。今年4月には、これらのガス輸出国11カ国が加盟するガス輸出国フォーラム(Gas Exporting Countries Forum:GECF)がアルジェリアで開催され、値下げ圧力が強まる天然ガスの価格問題についても議論されたが、有効な対応策は打ち出せなかった。石油と異なり天然ガスは、供給が過剰になったからすぐに生産を抑えるというような、生産調整が難しい。このためGECFは、石油業界におけるOPEC(石油輸出国機構)のような市場支配力を持つことができないのが現状だ。






 この会議の場で、アルジェリアのヘリル・エネルギー鉱業相は、LNG(液化天然ガス)のスポット価格の下落に強い危機感を示した。世界的な景気低迷などの影響によって減少した天然ガスの需要が2008年並みに戻るのは、米国におけるシェールガス増産の影響もあり、早くても2013年以降になると予測している。こうした現状を受け、欧州市場向けの「パイプラインガス」の価格については、現在の石油製品価格にリンクした水準を維持できるように全力を挙げることを表明した。

 さらに、世界最大の天然ガス資源国であるロシアは、輸出量の減少による経済的な打撃に加え、主な輸出先となっている欧州や東欧諸国、旧ソ連各国への政治的な影響力の低下を懸念している。とくに、豊富なシェールガス資源の存在が確認されている東欧諸国は、その開発を進めることで、エネルギーのロシア一国依存からの脱却をもくろんでいるためだ。



ガスシフトを加速させる石油メジャー

 石油メジャーの投資戦略にも、静かに進行するシェールガス革命が大きな影響を与えている。

 世界最大の石油メジャーである米エクソンモービルは、シェールガス掘削技術を持つ天然ガス開発大手 XTOエナジーを、360億ドルで買収することに2009年12月に合意し、2010年6月に買収手続きを完了した。これによりエクソンモービルは、米国内での天然ガスの生産量を一挙に3倍にも増やし、在来型天然ガスを含めて、米国で最大のガス生産者になった。そして、同社の石油・天然ガスの全生産量の 45%を天然ガスが占めることになり、ナンバーワンの石油メジャーから「石油・天然ガスのリーダー企業」へと変貌を遂げつつある。

 また、世界第2位の石油メジャーである英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルも、石油から天然ガスへの転換を加速させており、2009年には、生産量ベースで、石油と天然ガスがほぼ肩を並べ、数年後には石油が45%、天然ガスが55%と逆転するのが確実と見られている。このように、石油メジャーからガスメジャーへの道を進むシェルは、シェールガスにも注目し、既に非在来型天然ガスの開発企業を2008年と2010 年にそれぞれ57億ドル、37億ドルで買収済みだ。ただし、シェルは、既にLNGを中心に在来型天然ガス開発へも多額の投資を行っているため、シェールガス生産の急増がLNG事業へ悪影響を及ぼすことを警戒している。同社では、LNGの販売価格が原油換算で1バレル当たり50~90ドルの水準でなければ十分な利益を上げられないとしている(「European Energy Review」June 28, 2010)。しかし同時に、エネルギー企業として、拡大するガス市場全体での存在感を高めるために、生産コストの安いシェールガス(米国では原油換算で1 バレル当たり33ドル以下)も手掛けなければならない状況になっており、大きな価格差のあるLNGと非在来型のシェールガスの扱いが、今後、シェルにとっての大きな事業リスクとなる可能性がある。

 このほか、フランスのトタルや英国のBP、ノルウェーのスタトイル・ハイドロなども、米国内のシェールガス開発に投資をしている。

 石油メジャーが、非在来型天然ガスへの投資を加速させる背景には、低炭素社会の到来が間近に迫ってきているという見通しがある。埋蔵量が豊富で低価格な天然ガスの供給が拡大すれば、シェールガスを含む天然ガスには「bridge to a low carbon future」(“低炭素未来への架け橋”の意)の役割を担うことが期待される(「bridge to a low carbon future」とは、環境政策専門の米シンクタンク、リソーシズ・フォー・ザ・フューチャーが2009年に発表した報告書のタイトル)。ただし、シェールガスといえども万能ではなく、G8サミット(主要国首脳会議)の首脳宣言で取り上げられたように、2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量を80%(またはそれ以上)を減らそうとするならば、CCS(CO2の回収・貯留)付きのガス火力発電も必要となってくる。



再生可能エネルギー開発にも影響

 世界のエネルギー地図におけるシェールガスの立ち位置については、今年4月20日に発生したメキシコ湾原油流出事故の影響も含めて考えなければならないだろう。

 まず、この事故によって、今後、世界的に深海での資源開発の規制が強化されることは間違いないだろう。これは、陸上でのシェールガス開発にとっては追い風となるだろう。しかしその一方で、エネルギー開発全体に、より一層の安全対策や環境への影響評価が求められるようになるため、このコストがシェールガスの価格に上乗せされる可能性がある。シェールガスに限っていえば、掘削時に欠かせない大量の水の扱いについて厳しい規制が課せられそうだ。ただし、今回の原油流出事故によって、石油に対するイメージが悪化しており、長期的には脱石油政策を加速させ、天然ガス需要を拡大させる要素になるだろう。

 ここまで見てきたように、シェールガスの急速な生産拡大は、世界のエネルギー市場や企業の投資活動に大きな影響を与えつつある。とくに、天然ガスの価格競争力が強まった米国では、発電部門において、CO2排出量削減の見地からも、石炭から天然ガスへのシフトが進んだり、近年、相次いで発表されている新規の原子力発電所の建設計画に遅れをもたらす可能性もある。また、石油の最大の利用用途となっている輸送部門でも、ガソリン車から、圧縮天然ガス自動車の利用拡大をめざす動きが強まることも考えられる。

 米国で進むシェールガス革命の影響は、これから欧州諸国にも徐々に広がっていく可能性がある。EU(欧州連合)諸国では、地球温暖化対策の一環として、再生可能エネルギーの開発に力を入れている。特に近年は、大規模な洋上風力発電の開発が相次いで進められているが、発電コストが高く付くため、経済危機の影響もあり、電力需要家の経済的な負担が大きな問題となっている。そのため、米国でのシェールガス革命の影響もあり、欧州でも天然ガス価格が軟化傾向を見せているため、発電市場において高効率のガス火力が魅力的な新規電源となりつつある。

 こうした状況を受け、再生可能エネルギーの開発を推進している環境保護団体のなかには、シェールガス革命の影響で、再生可能エネルギーの開発が遅れてしまうことに警告を発しているところもある。

 今後、数十年は、在来型・非在来型を含めた天然ガスが、世界のエネルギー勢力図で「台風の目」になることは間違いなさそうだ。こうした、世界規模で起きているエネルギー情勢の変革を受けて、日本でも、化石エネルギーのなかで最もCO2排出量の少ない天然ガスの利用拡大の動きが強まっている。

 6月に閣議決定された新たな「エネルギー基本計画」では、天然ガスについて、低炭素社会の早期実現のための重要なエネルギー源とみなし、産業部門の燃料転換、コージェネレーション(熱電供給)利用、燃料電池の普及拡大といった展開を期待する内容となっている。そして、そのためには、LNGの輸入価格をできるだけ引き下げる必要があるだろう。LNG輸出各国は、原油価格とリンクした現在の高値を維持したいとしているが、わが国にとっては、いくらクリーンな資源でも、価格が高くては市場の拡大にはおのずから限界がある。わが国のLNG輸入企業には、今後のシェールガス開発を含めた世界の天然ガス市場の動向を踏まえて、LNG供給者に価格設定方式の見直しを訴え、安定的かつ経済的な価格での供給の実現に向けた努力が求められるだろう。



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